フィクション考

【読書ノート】『正義のアイデア』第1章

正義のアイデア作者:アマルティア セン明石書店Amazon 第1章 理性と客観性 イントロ(p69-) 啓蒙主義的伝統に対する批判(p74-) アクバルと理性の必要性(p76-) 倫理的客観性と理性的精査(p81-) アダム・スミスと公平な観察者(p88-) 理性の及ぶ範囲(…

【読書ノート】『ブランダム 推論主義の哲学』 第6章

ブランダム 推論主義の哲学: プラグマティズムの新展開作者:白川晋太郎青土社Amazon 第6章 推論主義を応用してみる 精神病理 フィクション(虚構) 社会制度 第6章 推論主義を応用してみる お目当ての相互承認は第7章で出てくるのだけど、先に第6章もやって…

ゲド戦記の名前の悩ましさ

ゲド戦記に出てくる登場人物は、みんな動物や植物や鉱物の名前を通り名としている。たとえば主人公はハイタカで、親友はカラスノエンドウ。魔法学校で会った憎いあんちくしょうはヒスイだ。彼らはみんなそれぞれ真の名前を別に持っている。たとえば主人公の…

【アニメ感想】『イノセンス』素朴な心身二元論

はじめに 『電脳コイル』を見終わったあと、次に見るものがなくてしばらくアニメ鑑賞を休んでた。ひさしぶりにアマゾンプライムを漁っていたらこれが見つかった。 もともと攻殻機動隊シリーズにはあんまり興味ない。とにかく、わたしはかわいいものが出てこ…

【感想文】かもめ食堂

アマゾンプライムで『かもめ食堂』を数日かけて見終わった。個人的には、アニメより映画の方が気持ちが安らぐ。それは、映画はキャラでなく風景に焦点を当てることができるからではないだろうか。 たとえば『電脳コイル』は風景がかなりしっかり描かれている…

盆栽化する小説

小説を読んでも時間の無駄、という感じがして、このところは全然読んでない。 前は、小説を読むことに価値観や世界観が強引に変化させられるような驚きがあった。高校の頃に三島由紀夫を読んで、倒錯した美意識にやられて初めて読書で吐き気を感じた。大学で…

【雑感】フィクションの境界線の緩みについて

はじめに おっぱいはやぶさかでないが やぶさかおっぱいは淘汰される(長期的には) フィクション世界の境界線はどこにある? なんで境界線がゆるゆるになってるのか? フィクション世界の境界線を意識する 「どうせフィクションでしょ?」という考え方 はじ…

【読書ノート】古谷利裕 『虚構世界はなぜ必要か?: SFアニメ「超」考察』

虚構世界はなぜ必要か?: SFアニメ「超」考察作者:利裕, 古谷勁草書房Amazon 読む動機 抜き書きとコメント i 本書の主題:現実主義に対するフィクションの意味 p4 現実の動かしがたさ p98 リア充グループはなぜ p220-221 フィクションの交叉的な機能 p286 現…