電脳コイル(17話まで)

  • 電脳コイルはだんだん緊張感が出てきたけれど、面白いのかどうかよくわからない。浦沢直樹的な謎で引っ張られてるだけのような気もする。

  • オープニングアニメでの描かれ方からもわかるように、このアニメの主要人物はヤサコとイサコとハラケンだ。3人とも、イリーガルの住むアンダーグラウンド電脳世界になんらかの形で関わろうとしている。ハラケンはカンナが電脳世界に取り残されているから助けたいと思っている。イサコは電脳世界に行ってしまった兄の魂を呼び戻してこの世に復活させたいと思っている。一方、ヤサコはなぜか4423ことイサコのお兄さんのことが気になっていて、それで電脳世界にも関心を持っている。ただ、4423の記憶がハラケンとちょっとリンクしてしまってるので、4423のことも気になるけどハラケンのことも気になるという、気まぐれな恋する乙女状態になっている。

  • 今のところ、ハラケンやイサコのような切実さはヤサコには感じられなくて、幼い日の恋よ再び! みたいなピクニック気分で電脳世界に深入りしていってる感じがある。こう考えると、危険を承知で電脳世界に近づいていっているハラケンとヤサコよりも、ピクニック気分でふらふら電脳世界にはまっていくヤサコの方がやばい人になってる気がする。

  • やっぱり、ヤサコってよくわかんないキャラクターだ。どうせピクニック気分なのだからフミエと楽しく探偵ごっこして遊んでいればいいだけなのに、中途半端にハラケンやイサコに絡もうとする。イサコがブチ切れるのもわかる。で、いつかハラケンもブチ切れると思う。主人公としてはかなりイライラさせられるキャラクターだ。ハラケンにさっさとカンナのことを忘れてもらってあわよくば自分とイチャイチャしてくれれば…という打算がありそうなのも汚いし。あと、結局前の学校で何があったのかもよくわからない。こういう主人公に感情移入するのはとても難しいと思う。

  • あえて感情移入できないキャラとして位置付けてるのかなあ。それともただのミス? よくわからない。で、やっぱり前に思いつきで書いた、実はカンナの魂がヤサコに乗り移っていて…みたいな展開だと納得いくんだけど。それなら、ヤサコがハラケンに惹かれるのはわかるし、電脳世界にふらふら近づいてしまいがちなのもわかる。その一方で、そういう展開になると話がややこしくなりすぎて、どう収集をつければいいのかわからなくなりそうでもある。

  • ヤサコはただの語り部だ、という見方もできる。だけどただの語り部にしては物語に深入りしすぎている。それなのに何考えてるのか全然わからない。恋愛がしたいのか、謎解きがしたいのか、それとも前の学校でのトラウマから逃げたいのか。とてもふらふらしたキャラだ。だからヤサコがイサコに怒鳴りつけられる場面を見るとホッとする。むしろ怒鳴っているイサコの方に共感してしまうくらいだ。そして、早くハラケンもキレてヤサコを怒鳴りつればいいのにと思ったりもする。外面は「いい人」で、フミエの弟からもほのかに慕われている。でも実際にはいい人でもなんでもなくて、クビナガのために号泣できるフミエよりもずっと冷めてると思う(と思って再確認したら、ヤサコも泣いてた。でも、フミエに比べると、なんか泣いておいた方がいい空気だからとりあえず泣いておこうかな、みたいなおざなり感があるんだよね…。偏見だと思うけど、こういう偏見を払拭するような、ヤサコのことを見直したくなるようなエピソードが今のところ思い当たらない。妹の世話をしてくれた大地を変質者扱いするみたいなドン引きエピソードならあるけど)。まだ明かされていない前の学校での出来事が鍵になりそうな予感があるけど…。

  • なんか、回を重ねるごとにフミエいいなあ、って思うようになってる。このアニメの中で一番好き(二番手はイサコとハラケンが同点くらい)。フミエが主人公で思いっきりギャグ展開に寄せたスピンオフ作品とか作ってほしい。