ブログ始めて1ヶ月目の反省会

そもそもブログ始めた動機

  • いちおう研究者なので本を読んだり論文を読んだりすることを生業としているのだけれど、記憶容量がたぶんゲームボーイソフトくらいしかないので、読んでも読んでも覚えられない。「人に教えるようになったら覚えられますよ」と大抵の人は言うけれど、そんなことはない。先週の授業で自分が何教えたのかも忘れてる。昨年の授業資料を発掘して読み返しても自分がつくったものと思えないから、また一から作り直す。参考文献の内容も忘れているので、毎年同じ参考文献を読み直したりする。めちゃくちゃ非効率だ。

  • 対策として、読書ノートをせっせと書くようになった。自分の脳は当てにならないので、ノート様に覚えておいてもらえばいい。授業資料はノート様の内容をコピペして作ればよい。これなら効率が上げられる。で、実際に効率は上がった。

  • でも、ひとりで黙々と書いていると飽きてくる。また、自分用のノートであるのを良いことに、「こいつは頭が悪いからこんなひどい本を書くんだ」的な罵詈雑言を書いたりもする。人としてどんどん心がすさんでくる。

  • なんかこれでいいのかなあ、と思っていたとき、『独学大全』という例の分厚い勉強本を読んでみると、ブログを作って勉強の成果をさらせみたいなことが書いているのを見つけた。

それから重要なことだが、一人で学んでいると、人間はどこまでも独善に陥る。(…)自分で学んだことをブログに上げるのもいい。続ければ、物好きが読んで、知らないところで感想を上げるかもしれない。誰かが読むかもしれないという可能性だけでも、アウトプットされるものの質は変わってくる。
『独学大全』p198-199

  • そう。その通り。一人で学んでいると人間はどこまでも独善に陥る。自分が全能だと思い込み、自分が理解できない本の著者を無能扱いし(ノート内で)罵倒したりもする。そういう独善を捨てるために、勉強ノートをブログにさらすようになった。

1ヶ月つづけて気づいたこと

アクセス数を意外と気にしてる

  • 最初は、1日あたり5人か10人くらいに見てもらえればいいなあ、と思っていた。勉強が目的なのであって、ブログで稼いで家を建てるとかは別にいい。ともかく、誰かに見られているという状態さえつくれば、独善に陥ることを避けられるだろう。しかし実際には5人か10人というアクセス数さえ達成は難しいというのがわかった。

  • 原因はなんとなく判明している。アニメとかの柔らかい内容だとアクセスが増え、勉強ノートだとほぼゼロになる。そりゃそうだろうなあ、と思う。自分自身、わざわざ人の勉強ノートなんて読みたくない。でも、そもそも勉強が目的でブログをやっているのだし、アクセスを増やすためにゆるふわな内容にシフトしていったら本末転倒だ。

  • あと、ブログ名も良くない。これでは、亀好きでない人はスルーしてしまう。普段ブログをチェックしている人が日本に1,000万人くらいいるとする。亀に興味がある人が人口の1%として、さらに人の勉強ノートを見たがる人が人口の0.1%とする。すると、こういうブログを見たがる人は、1,000万×0.01×0.001=100人となる。つまり、国内でこのブログを見たがる人はマックスで100人しかいないということだ。さらに、彼らとのエンカウント率というのも考慮に入れると、始めたばかりのころはアクセス数は限りなくゼロに近い状態がつづくのが当たり前ということになるだろう。

  • うーん。まあ、マックス100人いれば十分かあ、とも思うけど。それに、少数でも見てくれる人がいるとうれしい(スターをくれたりする人もいて、なおうれしい)。つづけていくうちにまだ見ぬ100人の人たちともエンカウントすると思うので、しばらくこの調子でやっていこうと思う。

読書ノートから罵詈雑言が減った

  • これは狙い通り。こないだ書いた人新世本の読書ノートは割と罵詈雑言的になってしまったけど、ただそれも、きちんと他の文献を参照したりして、もっと論理的に罵詈雑言するようになった(「あああ、こいつもうアホ! 無理!」と言って床にたたきつけるとかじゃなくて)。

  • あと、ひとりで書いてたときは思いついたコメントを全部書いてたけど、もうちょっと整理して書くようになった。だらだら書きすぎると自分でも読み返すのがきつくなるので。読み返すのを前提とした書き方に変わったということかもしれない。

結構アニメの感想も書いてた

  • 平家物語』とか『電脳コイル』とかの感想を真面目に書いてた。別に勉強とかじゃなくて、書くのが楽しいから。

  • ブログを始める前も日記にアニメの感想を書くことはあったけど、もうちょっと支離滅裂な感じだった。で、ちゃんと感想を書くようになると、アニメの見方が変わってきた気がする。アニメに限らず、ブログを人目にさらすようになると、普段生活しているときの意識の働かせ方が変わってくる。ぼーっとしてるんじゃなくて、もっと分析的な姿勢になっているというか。それが良いことかどうなのかはよくわからないけど。

各種機能は適当に使ってる

  • 世の中にはもっときれいなブログがたくさんあるけれど、面倒だからこのままでいいやと思っている。アクセス数狙ってるわけじゃないし。装飾とか考えないで、マークダウンでシンプルに書く。

  • タグはつけたりつけなかったり。なんかはてなブログは検索機能が無いみたいなので、自分のタグをクリックして、同じテーマで書いてる他の人のブログを探したりしてる。カテゴリ分類もした方が良いのかもしれないけれど、タグをつける上にカテゴリもつくるのは面倒なのでやってない。

  • こういう機能があったらな、というのだと、引用箇所の色を指定できると良いと思う。ひとつの読書ノートで2つ以上の書籍から引用することもあるので、別の書籍から引用しているというのがはっきりわかるよう色分けできると良いと思う。

作業時間はまちまち

  • アニメの感想なんかだと30分とかせいぜい1時間で書ける。

  • 読書ノートは、ハードな内容だとへたしたら3~4時間くらいかけてるかも。線を引きながら本を読んでるのだけど、あとから線を引いた箇所を読み返しても、どこを抜き出すべきかなかなか決められないことがある。ユーザーフレンドリーな本だと「ここが大事!」というのを筆者が強調したり繰り返したりしてくれるけど、難しい本というのは著者が読者を置いてけぼりにしてひとりで突っ走っていってしまいがちだ。「重要なことは……」とか書いてあっても、よくよく見ると些末な箇所だったりするというトラップも多いし。

  • 作業時間の短縮はちょっと難しい気がしている。

今後の方針

  • 勉強ノートであるという方針は変えないように。アクセス数にまどわされて、気づいたらアニメ批評サイトになっていてアクセス数が増えまくってヨット買ってたとかは避けよう。

  • アニメ感想は楽しいけれどほどほどに。

  • なるべく5,000文字以内に収めることを意識して。長すぎると自分でも読み返せなくなる。

  • 罵詈雑言はやめよう。