2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【読書ノート】『ブランダム 推論主義の哲学』 第6章

ブランダム 推論主義の哲学: プラグマティズムの新展開作者:白川晋太郎青土社Amazon 第6章 推論主義を応用してみる 精神病理 フィクション(虚構) 社会制度 第6章 推論主義を応用してみる お目当ての相互承認は第7章で出てくるのだけど、先に第6章もやって…

【読書ノート】『ブランダム 推論主義の哲学』 第4章

ブランダム 推論主義の哲学: プラグマティズムの新展開作者:白川晋太郎青土社Amazon 第4章 推論的意味論 1 「指示」や「真理」というものの役割は? 2 推論的意味論の三つのレベル 3 文の意味 4 単称名と述語の意味 5 直示語の意味 (6節と7節は省略) 第4章…

「新しさ」をアピールするものはだいたい古い

マンションの郵便受けになんちゃら党からのチラシが入っていて、エレベーターの中で読んでみると、割と良いことを書いているように思った。ふむふむ、テーマごとに人々が集まって、 一緒に学び合いながら政策を考えていく。そして、コミュニティから政治家を…

【読書ノート】『ヘーゲルの実践哲学』二章途中まで

ヘーゲルの実践哲学―人倫としての理性的行為者性 (叢書・ウニベルシタス)作者:ロバート・B.ピピン法政大学出版局Amazon 読む動機 第二章 自然と精神(心)――ヘーゲルの両立論 p60 精神は「心」や「魂」ではなく制度です p56 自由であるなら、行為や企てを自…

【感想】『映像研には手を出すな!』(アニメ版)7話まで

私は私を救うんだ!伊藤沙莉Amazon アマゾンプライムでちまちま見ています。 馬鹿みたいな感想だけど、ひたすら楽しい。自分もアニメつくる人だったらよかったのに! とこれまでの自分の人生を全否定したくなるくらい楽しい。 ストーリーのリアリティを求め…

毎日練習するとたいがいのことはできるようになる、が…

たとえば、わたしはアクションゲームが得意ではない。ジャンプするタイミングがなかなかつかめなかったり、自分がしたい動作とキーの対応関係がときどきこんがらかったりする。それでも毎日やっているとそれなりにうまくなる。『フェノトピア』という鬼みた…

ゲド戦記の名前の悩ましさ

ゲド戦記に出てくる登場人物は、みんな動物や植物や鉱物の名前を通り名としている。たとえば主人公はハイタカで、親友はカラスノエンドウ。魔法学校で会った憎いあんちくしょうはヒスイだ。彼らはみんなそれぞれ真の名前を別に持っている。たとえば主人公の…

評価の道場

アマゾンレビューで高評価を得ているからといって良いものとは限らない。たとえば「癌になっても病院に行くな」みたいな本が狂ってるということは多くの人に理解できることだと思う。だけど、そういう本のレビューを覗くと、何十人もの人が5つ星をつけていた…

【アニメ感想】『イノセンス』素朴な心身二元論

はじめに 『電脳コイル』を見終わったあと、次に見るものがなくてしばらくアニメ鑑賞を休んでた。ひさしぶりにアマゾンプライムを漁っていたらこれが見つかった。 もともと攻殻機動隊シリーズにはあんまり興味ない。とにかく、わたしはかわいいものが出てこ…

【読書ノート】『ブランダム 推論主義の哲学』 第3章

ブランダム 推論主義の哲学: プラグマティズムの新展開作者:白川晋太郎青土社Amazon はじめに 本読書ノートの方針 第3章 規範的語用論 1 規範的地位と規範的態度 2 言語的実践におけるコミットメントと資格のやりとり 3 そもそも規範とはなにか 4 主張と推論…

論文書きたくないから逃避的に重い腰の上げ方を考えてみた

論文を書きたくない 論文を書かないとならないのだけど、ぜんぜん書く気になれなくて愚図愚図してる。このままだとなかなかヘビーなことになりそうなので、対策を考えてみる。 論文を書きたくない 論文を書いたらこんないいことがある 論文を書くことのこう…

ヘーゲル経済学の使い道

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon はじめに ヘーゲル経済学の使い道(思いつく限り) 社会関係資本の蓄積過程を「相互承認」として定式化…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第5章 5.2(ラスト)

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 第5章 ヘーゲル経済学のプラグマテックな様相――経済を遂行する 5.2 国際貿易政策の内生的規範性 p252-2…

【妄想】勝手にあのゲームの説明書をつくってみたよ、という人がいるといいのに

はじめに わたしのようなファミコン・スーファミ世代の人間にとって、今のゲームに説明書が無いのはとても口惜しいことだ。なぜって、ゲームの説明書を読むのはとても楽しいことだから。 操作方法がわかればそれで良いってものじゃない。説明書オリジナルの…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第5章 5.1

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 第5章 ヘーゲル経済学のプラグマテックな様相――経済を遂行する 5.1 金融資本主義における経営者インセ…

読書のハードルとその下げ方

はじめに 昔Googleが、検索時に一度に表示される件数を10件じゃなくて20件とか30件にしてみたらどうなるんだろう? という実験をしたことがある。すると、表示件数を増やせば増やすほどユーザーがどんどん離れていくという結果となった。頭のいい人たちが色…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第4章 4.3-4.5

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 第4章 ヘーゲル、倫理学、経済学 4.3 スミス、ヘーゲル、セン:思考の家族的類似性 p190-191 同感によ…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第4章 4.1-4.2

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 第4章 ヘーゲル、倫理学、経済学 4.1 政治的・倫理的諸価値の遂行性 p185 センの考え:制度を評価する…

無職は楽しい? うん、楽しい。

いちおう研究者をやっているのだけど、職が安定しない。任期付きで研究員になったり教員になったりして、今年の4月からは次が無くて無職生活を送っている。 完全に暇なわけじゃなくて、論文書いたり就職活動したりゲームやったり人生について考えたりしてる…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第3章 3.3 ヘーゲル的パースペクティブで貨幣を再考する

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 3.3 ヘーゲル的パースペクティブで貨幣を再考する 貨幣の連続性 p154 貨幣の連続性 p157 社会的交換に…

組織の効率化を目指すとかえって非効率になることもある

ある小さな学会の運営に携わっているのだけど、最近上層部が「効率化」と突然騒ぎ出した。それで強引に組織再編を進めたもののうまくいかず、大会開催のような基本的な業務さえ滞るようになってきている。 上層部の言い分は「学会の高齢化が進んでいる。少人…

【読書ノート】21世紀の道徳 第10章

はじめに 第10章 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか? p240 生物学的インセンティブ・システムにおいてわたしたちの幸福が考慮される必要性はない p241 生物学的インセンティブ・システムを出し抜くことが人間には可能 p243 「自分の力でなんとかなる…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第3章 3.2 選好、制度、同一性

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 前説(ぼやき) 3.2 選好、制度、同一性 選択のニューロン機構における外在化された概念の役割 p132 評…

【感想文】かもめ食堂

アマゾンプライムで『かもめ食堂』を数日かけて見終わった。個人的には、アニメより映画の方が気持ちが安らぐ。それは、映画はキャラでなく風景に焦点を当てることができるからではないだろうか。 たとえば『電脳コイル』は風景がかなりしっかり描かれている…

【読書ノート】現代経済学のヘーゲル的展開 第3章 3.1 現代脳科学に関するヘーゲル形而上学

現代経済学のヘーゲル的転回:社会科学の制度論的基礎 (叢書《制度を考える》)作者:カーステン・ヘルマン-ピラート,イヴァン・ボルディレフNTT出版Amazon 前説 第3章 経済的行為の精度的本性 本章のポイント 3.1 現代脳科学に関するヘーゲル形而上学 p112 別…

【読書ノート】『21世紀の道徳』(ケアの倫理のところだけ)

読む動機 第8章 「ケア」や「共感」を道徳の基盤とすることはできるのか? p165 フェミニスト倫理学とは? p171-172 フェミニスト倫理学の主張 p168-169 筆者による「ケアの倫理」理解 ハインツのジレンマ p175 ケアの倫理は理論や原則を否定する(?) ケア…

【小説の書き方考】「彼は言った」はなぜ必要か

はじめに 「彼は言った」問題 「……」や「!?」に置き換えたら? 視点の切り替えがリズムを生む 単調すぎる会話の場合 「彼は言った」問題の結論 補足:保坂理論と何がちがう? 突っ込みどころ(今後の課題) はじめに 6年半前くらいから毎日コツコツ小説を…

【感想】電脳コイル(ラスト)

我慢できなくなって最後は4話連続で一気に見た。 最後の方ではおばちゃんたちが早口で一気のこの世界の裏設定を教えてくれるのだけど、いっぺんに言われてあまり頭に入ってこなかった。半年くらいしたらまた最初から見直すかなあ。 以下、今の時点で気づいた…

電脳コイル(21話まで)

通路の向こうの世界が怖すぎる。寝る前に観てるので、怖くて眠れなくなって睡眠不足気味だ。 あの世の描写っていろんなのがある。すごく変なのだと、チュツオーラの『やし酒飲み』という小説では、あの世は現世から歩いていける距離にあって、人々はなぜかみ…

自分の中の第3次ゲームブーム

ゴールデンウィーク中であんまり勉強する気になれないので、エッセイみたいなのを書いて暇つぶしをする。 20年くらいほとんどゲームから離れていたのだけど、この1年半くらいは結構ゲームをやるようになっていた。ほとんどはSwitchでプレイできるインディー…