哲学
感情は道徳問題を悪化させるという議論 心理学や脳科学の観点から道徳について論じる議論の中には、感情は道徳問題を悪化させるものであるという主張が割と見られる。 なぜ感情が道徳問題を悪化させるのか? それは、感情は非合理なものであり、理性的な議論…
正義のアイデア作者:アマルティア セン明石書店Amazon ずっと前に途中まで読書ノートをつくっていたけど、同じような議論が延々とつづくので疲れてストップしてた。最終章である第18章は全体のまとめになってるので、ズルしてここだけ要約して、読書ノートを…
環境意識関連の論文の準備を進めている中で、感情と道徳の関係について関心が出てきた。 環境配慮行動系の論文を探すと、感情が行動に影響するとか、道徳意識が行動に影響するといった趣旨のものはそこそこ見つかる。でも、そういう研究はだいたい社会心理学…
制度とは何か──社会科学のための制度論作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 第9章 再帰性 自然科学と社会科学のちがいは、再帰性の問題に取り組んでいるかどうかだ、という考え方がある。 再帰性とは、たとえば予言の自己…
制度とは何か──社会科学のための制度論作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 第7章 読心 コーディネーションが成功するためには、全員が同じ行動ルールに従うだけでは不十分だ。というのは、ほかの人たちもその行動ルールに…
制度とは何か──社会科学のための制度論作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 第5章 構成 サールは、制度を次のように定義している。 制度は、「XはCにおいて、Yとみなされる」という形式の構成的ルールの体系である。 たと…
制度とは何か──社会科学のための制度論作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 「制度」というのは一見、地味なテーマだ。 「制度って、ようするに法律とかルールとかの話なんじゃないの?」。そういう風に受け取る人はたぶん…
風土学はなぜ 何のために作者:オギュスタン・ベルク関西大学出版部Amazon 第五章 風土学の二つの時代 やがて私(ベルク)は地理学から存在論の方に興味が移っていった。和辻が言うように、風土とは「人間存在の構造契機」なのであり、風土について論じていく…
風土論というのがあって、学生時代から勉強してきているのだけど、いまだにうまく理解できている感じがしない。数千字でまとめられるものではないけれど、なんとかエッセンスだけでもまとめてみよう。 ザックリ言うと、風土論とは人間と環境の関係性を現象学…
Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第6章 ミクロとマクロの契約主義 イントロ 正義の原則はなぜ存在するのか? それは、「協力によ…
Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第5章 Buisiness Ethics and the "End of History" in Corporate Law なぜ株主は優先されるべき…
Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon chapter4 An Adversarial Ethic for Business(ビジネスにおける対立的倫理) ビジネス倫理学が…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第6章 Positive Social Time Preference(正の社会的時間選好) イントロ 気候変動の問題を考えるときに、「将来世代の厚生水準を高…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第5章_The Social Cost of Carbon(炭素の社会的コスト) イントロ 炭素税をかけるのは、費用便益分析をするのと同じ事なのだろうか…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第4章 The Case for Carbon Pricing(カーボンプライシングの課題) イントロ 前章で議論したように、気候変動を世代間正義の問題と…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第3章 Intergenerational Justice(世代間倫理) イントロ 本章と次章における私の目的は、気候変動問題に対する帰結主義的アプロー…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第2章 Climate Change and Growth(気候変動と成長) イントロ 哲学者たちは、気候変動を「世代間正義」の問題と分類しがちだ。そし…
第1章 False Starts (間違った出発点) Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon イントロ 「山のように考えよ」というレオポルドの言葉は有名だ。しかし、そうした環境哲学…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon ヒースの代表的な著作はだいたい読んで、なんでこの人がこういう考え方をするようになったのだろうか、というのはなんとなくわかっ…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 10章「結論」がまだ残ってるけど、特に新しい話題が出てくるわけではないので、この9章でラストということにしたいと思う。 第9章 規範倫理学 イントロ 道徳…
本書は再読なのだけど、前に読んだときに一番よくわからなかったのがこの第8章だったと記憶している。書かれてることはわかるのだけど、これまでの議論との関連がよくわからなかった。まあ今回はきちんとまとめながら読んでるから、ついていけるだろう…。た…
アトピーみたいな謎の奇病にかかってしまって、しばらくセーフモードで生活していたけど、そろそろ日常に戻らなくては。胸が痛痒くてしょうがないし、肌を刺激するのが怖くて髭も剃れない(顎がフサフサしてきた)。この本が何の本だったのかも忘れつつある…
21世紀の資本作者:トマ・ピケティみすず書房Amazon ずっと積ん読になっていたピケティの『21世紀の資本』を昨年末から読み始めて、数日前にやっと読み終わった。ああ長かった。あと、縦書き読みにくい。数字がたくさん出てくる本は基本、横書きにしてほしい…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 間が空いてしまって、まとめるのがおっくうになってるけど頑張ろう。たぶんこの章は本書のひとつの山場です。「ルールに従う」というタイトルの意図を端的に…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 第5章 選好の非認知主義 イントロ 経済学者たちは選好は所与であると考えがちだ。好きなものは好きなんだからしょうがない。非合理なものなのだよ、という風…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 4章から言語哲学やら認知哲学やらの話が入ってきて闇鍋の体を成してきた。だんだん頭がこんがらがってくるけどがんばろう。これまでの議論を雑に整理すると…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon やっと3章読み終わった。 この本は難書な上に高いのに日本ではなぜか人気があってAmazonレビューが10件もついている。一方、原書ではたった2件しかついてな…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon ああ、並行的に読んでる本とか並行的に遊んでるゲームとか並行的に観てるアニメとか並行的に気に病んでる諸々のこととかがいろいろあるのでなかなか進まない…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 合理性について勉強する必要があってセンの『集合的選択と社会的厚生』をちびちび読んでいるのだけど、ヒースの方も読む必要がありそうなので並行的に読んで…
啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 第12章 精神的環境を守る 選択アーキテクチャ再考 学校教育を終えた人に新しいものごとを学ばせるのは難しい(p376-380) 社会制度はユーザー…