2022-01-01から1年間の記事一覧
私はお世辞にも能力が高いとは言えない。とくにコミュニケーション能力にかなり難があって、他の人が何の話をしているのかぜんぜんついていけないことが結構多い。共同作業の中で自分の役割をよく理解しないまま行動して致命的な失敗をやらかし周りに迷惑を…
今年も残すところあとわずかええと何日ですか。数えるのが面倒くさいけれどたぶん10日は切っていると思うから今年をまとめておこう。まとめ方もいろいろあって、極端な人は1文字でまとめようとか無茶をやらかしてるらしいけれどたぶんそういう雑なまとめ方だ…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 4章から言語哲学やら認知哲学やらの話が入ってきて闇鍋の体を成してきた。だんだん頭がこんがらがってくるけどがんばろう。これまでの議論を雑に整理すると…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon やっと3章読み終わった。 この本は難書な上に高いのに日本ではなぜか人気があってAmazonレビューが10件もついている。一方、原書ではたった2件しかついてな…
大学受験のとき学部選びに失敗して全然興味のない学部に入ってしまって、ああもう転部しようかなあ中退しようかなあ、と迷っていた学部3年のころから、私はずっと社会にも社会科学にも興味が持てないままでいる。 こないだ、計量系の研究会に遠いご縁で参加…
集合的選択と社会的厚生作者:アマルティア セン勁草書房Amazon 第7章 個人間での集計と比較可能性 ああ、やっと7章読み終わった。けっきょく1ヶ月近くかかったわけか。しかも、あちこちわかんないところが残ってる。「序数型」ってけっきょくなんなんだい。…
なんの脈絡もなくディキンソンを訳してみた。純粋な趣味です。たぶんあちこちに誤訳があるので、気になる人は自分で訳すなり自分でお金出して訳書を買うなりしてください。 訳したのは「I felt a Funeral, in my Brain, (340)」。原文は下記サイトから持って…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon ああ、並行的に読んでる本とか並行的に遊んでるゲームとか並行的に観てるアニメとか並行的に気に病んでる諸々のこととかがいろいろあるのでなかなか進まない…
わたしは基本人間嫌いなので人に会うとだいたい落ち込む。で、今は久しぶりの飲み会の翌日なのでバッチリ落ち込んでいる。こういうときに必要なのは迎え酒ではなくカオスな言葉だ。 言葉は人に意味を伝えるものでなくては意味がない。つまりカオスであっては…
センの『集合的選択と社会的厚生』の勉強がちょっと滞っている。野暮用ができてしまったというのもあるけど、7章がちょっと難しくて詰まってる(論理展開が難しいというより、新しく出てくる概念が現実世界でどういう意味を持ってるのか飲み込むのに手間取っ…
効果的利他主義という考え方がある。これはようするに、世界をよくするために最も効果的な行動をしよう、というものだ。Wikipediaにも項目がまとめられている。説明するのが面倒なのでそのまま引っ張ってみよう。 効果的利他主義(こうかてきりたしゅぎ、英…
集合的選択と社会的厚生作者:アマルティア セン勁草書房Amazon 第6章 コンフリクトとジレンマ 有名なセンの「リベラルパラドックス」が登場する章。ただ、数理的な「第6*章」の方はたった3ページしかないし、証明もすごく簡単だ。それよりも、その含意を普…
集合的選択と社会的厚生作者:アマルティア セン勁草書房Amazon 第5章 価値と選択(匿名性、中立性、反応性) 今のところ、だいたい1週間に1章くらいのペースで進んでる。全部で11章だから、野暮用が入ってもなんとか年内には終わらせられるかな…。 この本は…
AHPとは? AHPという奴がありまして、簡単にいえば、選択肢を決めるのを手助けしてくれる一種の意思決定支援手法だ。 たとえばあなたが車を買いたいと考えているとする。で、カタログをひっくり返してあれこれ考えて、次のような候補にまで絞り込めたとする…
ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者:ジョセフ・ヒースNTT出版Amazon 合理性について勉強する必要があってセンの『集合的選択と社会的厚生』をちびちび読んでいるのだけど、ヒースの方も読む必要がありそうなので並行的に読んで…
集合的選択と社会的厚生作者:アマルティア セン勁草書房Amazon 第4章 社会的決定関数 前回の復習と今回のねらい 前章は「社会的厚生関数」というやつを取り上げて、この社会的厚生関数に常識的な条件を加えただけで必ず独裁者が発生してしまうというアローの…
集合的選択と社会的厚生作者:アマルティア セン勁草書房Amazon 第3章 社会的厚生関数 前回のあらすじ 前回は集合的選択ルールというやつが出てきた。つまり、人々のいろんな選好パターンを放り込んだら社会として何を優先すればいいかというアウトプットを出…
資本主義と自由 (日経BPクラシックス)作者:ミルトン・フリードマン日経BPAmazon これまで私が読んだ一般向けの経済学の本だと、フリードマンはだいたい悪者扱いされている。こないだちょっと読みかけて積ん読になってる『複雑系の経済学入門』という本だと、…
集合的選択と社会的厚生作者:アマルティア セン勁草書房Amazon 第2章 集合的選択ルールとパレート比較 この章から、個人の選好からどういう風に社会的決定を導き出すか、という話に入る。いつものことだけど、以下はあくまで自分の理解でのまとめ方。本文に…
合理性ってなんなんだろう、というのを勉強しようとして、サイモンの『人間活動における理性』を読み直してみたけれど、最初の1章だけまとめてみて、ちょっとこちらの考えているのと方向性がちがうなと気づいた。 たぶんサイモンは、あらかじめ何らかの問題…
cruel.hatenablog.com サイモンの『意思決定の科学』を2章までまとめて、サイモンが人間の意思決定や問題解決プロセスをどんな風に考えているのかが大体わかった。ただ、その前提にどういう合理性観があるのかはあまり詳しく書かれてなかった。今私が興味が…
意思決定の科学作者:ハーバート・アレクサンダー・サイモン,稲葉元吉産業能率大学出版部Amazon 第2章 経営の意思決定過程 第2章 経営の意思決定過程 イントロ 意思決定者としての経営管理者 諸局面の交錯 意思決定技能の開発 組織的意思決定に対する経営管理…
意思決定の科学作者:ハーバート・アレクサンダー・サイモン,稲葉元吉産業能率大学出版部Amazon まとめるのをしばらくサボってたけど、今やってる合理性云々の話とも絡んできそうなので、やっぱりまとめてみる。興味のつづく限り。 1章 会社は機械によって管…
前回に引き続き、「合理的に考えてもらうには?」というテーマでうじゃうじゃ考えている。 推論主義によれば、合理的であるとは「理由が答えられること」だ。だとしたら、人に合理的に考えてもらうには、「なぜ? なぜ? なぜ?」と問い詰めて理由を答えても…
合理的に考えるための議論環境をつくる、というのが大まかな今の研究テーマなのだけど、やってみるとなかなか難しい。そういう議論環境をつくって学生たちに議論してもらっても、かなりなあなあな感じで議論が進められてしまう。細かくマニュアルを作ったり…
チ。―地球の運動について―(8) (ビッグコミックス)作者:魚豊小学館Amazon この漫画を最初読み終わったときは、最後の方の展開がよくわからなかった。なんで死んだはずの人が生き返ってるんだろう? パラレルワールドなの? でも、しばらく時間をおいてから…
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)作者:アンドレイ・クルコフ新潮社Amazon この小説の主人公は孤独な売れない小説家だ。いろいろ奇妙な事情があって、ペンギンや小さな女の子らと一緒に暮らしている。彼らに対して主人公はあまり愛情を感じていない。…
意思決定の科学作者:ハーバート・アレクサンダー・サイモン,稲葉元吉産業能率大学出版部Amazon このところサボってたけど、AIの勉強はまだ続けている。 本書は、大ざっぱに言うと、コンピュータの登場によって経営はどう変わるか(あるいは変わらないか)と…
わたしは人に舐められやすい。舐められると、舐められたことを思い出して、台所で無意識的に呪詛をつぶやいてたりする。 だけど、舐められて腹を立てる、というのはあんまり意味のない反応だと思う。確かに、舐められてるとどんどん訳の分からない仕事を任さ…
自生的秩序論でフェアトレード市場を考察する、という本があって、こないだやっと読み終わった。 倫理的市場の経済社会学:自生的秩序とフェアトレード作者:畑山 要介学文社Amazon フェアトレードとか倫理的消費とかの文献は、基本的に面白いものが少ない。「…