【感想】ゴールデンカムイ

  • たしか、初めて読んだのは3巻か4巻あたりから。たまたまそのとき、そういえば自分は北海道出身なのに北海道の歴史ってちゃんと勉強してなかったなあと気づいて、アイヌの漫画とかで勉強しようかなあ、と探してみたら見つけた。で、そのままはまって、今に至るまで読み続けてきた。

  • 北海道で育った人間からすると、アイヌって、気になる存在ではあるけれど、どう関わって良いのか分からない存在でもあった。差別問題なんかもからんでくるし。うちの父親(80近く)なんかは、こちらがアイヌの話を持ち出すと露骨に嫌な顔をする。その一方で、アイヌの歴史を否定してしまうと、北海道の歴史はかなりスカスカになってしまう。で、そうなると今度は和人である自分自身が軽いアイデンティティクライシスになったりもするのでつらい。だから、この漫画のおかげで、少し息がしやすくなるような開放感があった。

  • この漫画をもうちょっと小難しい理屈で語ることもできるんだろうけれど、なんかそれは野暮だと思う。なにしろ最終話のタイトルが「大団円」なんだし、やっぱりこれはエンターテイメントであって、和風闇鍋ウエスタンなんだ。「ああ楽しかった!」で良いと思う。で、それでも闇鍋なので、中には単に「おいしい」だけじゃ済まない具材も入ってたりする。そういうのを「あれ、あのとき食べたの何だっけ?」と時々思い出したりするのが良いのかなあ、とか思う。