アウトラインプロセッシングを使いこなせていないから使いこなせるようだらだらする

文章を書き出すのはおっくうなものだ。何を書きたいのかは書き出すまでわからないし、その一方で、書くのに必要な知識やアイデアが自分にあるかどうかはわからない。 苦労して書いても結局支離滅裂なものになったらどうしようと不安になって、「ああ、もうなんかいいやあ」となって飲めもしない酒をあおるのだ。

「そういう人にこそアウトライナー!」という評判を聞いて、2年くらい前からアウトライナーを使ってる。使ってるツールはWorkflowyだ。これがあちこちで勧められてるし、実際、使いやすいと私自身感じている。 1

アウトライナーの伝道師の人はこんな風に言ってアウトライナーを褒め称えている。

「書くこと」そして「考えること」に、アウトライナーは絶大な威力を発揮します。一度その考えを理解し、馴染んでしまうと手放せなくなります。アウトライナーを知らなかった人が何かのきっかけでアウトライナーに触れ、熱狂的なユーザーに変貌していく様子を何度も見てきました。私にとって、文章を書いたり考えを整理する上で、アウトライナーを使わないことはもはや考えられません。 p2

でも、私の使い方が悪いのか、せっかくアウトライナーを使っていても、普通にメモアプリで書いてるのとあまり変わらない印象を持っている。熱狂的なユーザーにはほど遠い感じだ。そこで、私のアウトライナーの使い方を見直そう、というのが今回の趣旨だ。

なお、アウトライナーってどんなものなの? というのは面倒なので説明しない。Workflowyの紹介記事はたくさんあるので勝手に見てください。ここらへん参照。

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どうしてアウトラインプロセッシングを活用できてない?

私はこういうパターンでいつも失敗してる。

  • とにかく書き出してみる

  • ひとつひとつの項目の文章がすごく長くなる

  • 項目の内容が一目で把握しにくいので、アウトラインの全体が見通せなくなる

  • わけわかんなってきてキーってなって、いったん全部メモアプリにコピペして清書する

  • だったら最初からメモアプリで書けばいいじゃんとなる

うん。いかにも私らしい頭の悪い失敗だ。それでは、伝道師の人はアウトライナーをどう使っているのだろう?

シェイクせよ → シェイクできません

どうやら、シェイクというのがアウトライナーで一番重要なテクニックだそうだ。でも、それが私にはいまいちよくわからない。理屈はわかるけど、具体的に何をどうすればいいかわからないのだ。

実践的なアウトライン・プロセッシングは、トップダウンボトムアップを行き来する形で行われます。トップダウンでの成果とボトムアップでの成果を相互にフィードバックすることで、ランダムに浮かんでくるアイデアや思考の断片を全体の中に位置付け、統合していきます。本書ではこのプロセスを〈シェイク〉と呼びます。行ったり来たりしながら揺さぶるからです。 p74

シェイクは具体的にはこういう風にやる

  • まず、雑にアウトラインを書いてみる

  • アウトラインに収まらなかったアイデアが出てきたら「未使用」という項目に入れておく

  • 「未使用」に入った項目を眺めて、似たものをグルーピングして新しい項目をつくる

  • 新しい項目をアウトラインに組み込む

つまり、最初にアウトライン全体を構築する作業が「トップダウン」で、新しく項目をつくる作業が「ボトムアップ」というわけだ。

それでは、シェイクするとどういういいことがあるのか? 伝道師の人の本にはこういうことが書かれている。

  • 構造を考えることとディテールを考えることを分離することで、頭の負荷を減らすことができる。

  • そもそも、人の思考はトップダウンボトムアップを行き来するのが自然だ。

理屈はわかる。しかし私はその理屈を実践にうまくつなげられていないのだ。問題点と解決案を考えてみよう。

  • 各項目の文章を長く書きすぎるとアウトラインを制御できなくなる

    • → 短く書こう
  • 「未使用」の項目の中身を後から確認してもちょっとしか入ってなくてがっかり

    • イデアは、アウトラインを書いているときよりも、だらだら文章を書いているときに思いつきやすい

    • → だらだら文章を書く場面をシェイクの中に取り入れないといけないのでは?

  • 伝道師の人のやり方だと最初にアウトラインががっちり決まってしまって、「シェイク」というほどのものにならない

    • アウトラインを書いているときに思いつくようなことは、そのままアウトラインに入れてしまえばいい。「未使用」の項目にわざわざ入れるようなことはあまりない(だから「未使用」項目はいつも空っぽ)

    • → やっぱりだらだら文章を書こう。

となると、アウトラインプロセッシングの改善の方向性はこういうことになるだろう。

  • アウトラインをつくるときはとにかく短い文章を書く

  • ボトムアップの局面では、文章をだらだら書く

    • アウトラインをつくるときにだらだら書くと、項目の文章が長くなりすぎてアウトラインを制御できなくなるので注意

だらだら式アウトラインプロセッシング

  • ①アウトラインver.1の作成

    • 各項目の文章はなるべく短く

      • 2行以上になったら注意!
  • ②アウトラインver.1を推敲

    • 言葉足らずのところを補う

      • 各項目に下位項目を追記する
    • 文章全体を推敲

  • ③アウトラインver.2が完成

  • ④アウトラインver.2の修正

    • アウトライン全体を眺めて、議論が不十分なところや面白くない項目を探す

      • このとき、そのテーマに関連する本を流し読みしてみるのも効果的。人の考えと比較することで、自分に足りないところが見えてくる
    • その項目にフォーカスして、下位項目に問題点を書き込んだり改善案を書き込んだりする

      • ここはとにかくだらだら書く。だらだら書いてるうちにアイデアが出てくる
    • 書き込んだ内容を参照しながら、項目のタイトルを手直しする

  • ⑤アウトラインver.2の推敲

    • 修正した項目が浮いてしまっているようなら、前後に新たな項目を入れるなどして調整
  • ⑥アウトラインver.3の完成

    • これでもまだ不満なら、④~⑤の作業を繰り返す

おわりに

という感じのやり方を考えてみた。今回の記事もこのやり方で書いている。今のところ、なかなか悪くない感じだ。

今回のはあくまで自分用メモだ。別にアウトラインプロセッシングの伝導をしたいわけじゃない。道具の使い方というのは人それぞれだ。私はだらだら書いてるときにアイデアが出やすいので、だらだらを強調したやり方を考えてみたということです。


  1.  Obsidianにもアウトライナーの機能をプラグインで入れられるけれど、動作があんまり気持ちよくないので私は使ってない。