2022-01-01から1年間の記事一覧

【読書ノート】Morality, Competition, and the Firm 第3章

Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 3_Business Ethics without Stakeholders イントロ わたしは、企業に社会的責任はない、なんて…

【読書ノート】Morality, Competition, and the Firm 第2章

Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 2_Stakeholder Theory, Corporate Governance, and Public Management 2.1. Introduction 株主…

【読書ノート】Morality, Competition, and the Firm 第1章

Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 1_A Market Failures Approach to Business Ethics イントロ 利潤最大化と自己利益はちがう概念…

【読書ノート】Morality, Competition, and the Firm イントロ

このごろ、エシカル消費やらフェアトレードやらについて勉強しているのだけど、なんだかピンときていない。 何がピンと来ていないのか。まず、自分自身、フェアトレード商品なんて買ったことない。もうちょっとお金持ちになったら買うかもしれないけれど、今…

【雑文】エシカルだからといってエシカルとは限らない

「エシカル消費」とか「エシカルファッション」とかの言葉が最近増えてるけど、これは変な言葉だと思う。 「エシカル」というのは「倫理的」ということだ。「倫理的」なことがあるのなら、「非倫理的」なこともあるはずだ。それでは、「非倫理的消費」ってな…

【読書ノート】『倫理的市場の経済社会学』1章

倫理的市場の経済社会学:自生的秩序とフェアトレード作者:畑山 要介学文社Amazon 1章 自生的秩序としての倫理的市場 前回に引き続き、ちまちまとまとめていこう。 倫理的市場というのは何なのか、というのは前章でも出てきたけれど、今回も冒頭に改めて説明…

【読書ノート】『倫理的市場の経済社会学』序章

倫理的市場の経済社会学:自生的秩序とフェアトレード作者:畑山 要介学文社Amazon 前置き 基本的に、わたしは経済の話が好きではない。お金の話をする人が苦手だ。前にがんばって日経を読んでいたことがあるけれど、露骨なお金儲けの話ばかりなのにうんざりし…

【研究ノート】内部化をするのは誰なのか?

わたしは環境経済学の「内部化」という発想があんまり好きではない。好きとか嫌いとかの問題じゃない、という人がいると思うし、自分でもそう思うけれど、好きじゃないのは本当だ。その一方で、自分の研究をチマチマ進めていくうちに、やっぱり内部化は大事…

【雑文】逃げ場をつくって何が悪い

こないだ、HSPという言葉を知った。Highly Sensitive Person。つまり、非常に感受性が強く、敏感な気質の人、ということらしい。 セルフチェックリストもあるので(たとえばこのサイト)、やってみた。23のチェック項目で、12以上に当てはまればHSPだと…

【雑文】老いることも死ぬこともできない時代

お盆や正月に帰省するのはいつも気が重い。理由はいろいろあるけれど、突き詰めれば、年老いた両親とうまくコミュニケーションが取れないということだと思う。 父は若いころ国鉄になにか恨みでもあったのか、わたしが列車で帰省すると決まってJR北海道がいか…

【雑文】ホロウナイトで理系アレルギー解消

Hollow KnightMateria CollectiveAmazon この数週間ホロウナイトというゲームを毎日プレイしているのだけど、もうすぐクリアしそうだ。クリアというのは、俗にいう「真エンディング」の方でのクリアです。 最初このゲームをやり始めたころは、その直前に「フ…

【読書ノート】『ロボットに心は生まれるか』

ロボットに心は生まれるか 自己組織化する動的現象としての行動・シンボル・意識作者:谷 淳福村出版Amazon AI関係の文献を何冊か読んでいくと、心を持つロボットなんて当分生まれそうにないという雰囲気がなんとなくわかってくる。いかにディープラーニング…

【読書ノート】『AIの倫理学』

AIの倫理学作者:M. クーケルバーク丸善出版Amazon AI関連の文献を漁っているけれど、倫理系の文献もそれなりに出ているみたい。一冊目として、直球タイトルのこの本を選んだ。 AIについて論じる人たちの論調は一枚岩ではない。「汎用AIなんて近いうちにでき…

【雑記】最近ブログ書いてないのは

7月中旬頃からブログ更新の頻度がめっきり減ってしまって、もう2週間近く何も書いてない。 書かない理由は2つあって、1つは、勉強しないとならないことが増えすぎて、勉強ノートをまとめている暇がなくなってしまったこと。もう1つは、人に見せる文章を書く…

【アニメ感想】『ゆるゆり』第7話まで

第7話 「くり済ませり」Amazon ピングドラムと新劇場版エヴァを立て続けに見て、次は思いっきり軽い内容のアニメがいいなあ、と思って手を出したんだけど、意外ときつい。きついのは主人公のあかりの扱いで、「いじり」を通り越してほとんど「いじめ」になって…

【読書ノート】『現れる存在』イントロダクション

現れる存在 脳と身体と世界の再統合 (ハヤカワ文庫NF)作者:アンディ クラーク早川書房Amazon 読む動機 急遽、人工知能について勉強する必要が出てきて、関連文献を漁ったり、Pythonをちまちま勉強したりしている。 で、それなりにイメージはついてきたし、人…

【映画感想】『さようなら全てのエヴァンゲリオン』

さようなら全てのエヴァンゲリオン ~庵野秀明の1214日~ 後編Amazon 『エヴァ』の新劇場版4部作を見終わって、ドキュメンタリーの『さようなら全てのエヴァンゲリオン』も見た。ぐちぐち文句を言いながらもちゃんと全部見たのだから、やっぱり面白かったん…

【アニメ感想】エヴァンゲリオン『Q』『シン』

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q緒方恵美Amazon シン・エヴァンゲリオン劇場版緒方恵美Amazon ぐちぐち文句をいいつつも、結局ぜんぶ見てしまった。 で、残り2作についてもたくさん文句があるのだけど、ただの愚痴にならないように、それなりに分析的に見てい…

【読書ノート】『啓蒙思想2.0』第12章-ラスト

啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 第12章 精神的環境を守る 選択アーキテクチャ再考 学校教育を終えた人に新しいものごとを学ばせるのは難しい(p376-380) 社会制度はユーザー…

【アニメ感想】『エヴァンゲリオン序・破』

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序緒方恵美Amazon ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破緒方恵美Amazon 実は、エヴァをちゃんと見たのは今回が初めて。ピングドラムを見終わって、次に見るものが無くなってしまったので手を出した。 今のところの感想は、「映像はすごい…

【読書ノート】『啓蒙思想2.0』第4-5章

啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 第4章 直観が間違うとき そして、なぜまだ理性が必要か 直観の限界はメタ認知ができないこと(p143-) 直観が間違う機会が昔に比べて増えてる…

【読書ノート】『啓蒙思想2.0』第3章

啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 第3章 文明の基本 保守主義がうまくいく場合 ものごとはゼロからつくれない(p114-118) 大集団で協力するには?(p125-130) 道徳は外部足場…

【読書ノート】『啓蒙思想2.0』第2章

啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 第2章 クルージの技法――あり合わせの材料から生まれた脳について 理性は莫大なクルージの集積(p87-88) 認知システムの外部足場(p96-97) 人…

【読書ノート】『啓蒙思想2.0』第1章

啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 読む動機 何年か前に読んだのだけど、例によってほぼ忘れてる。 センの『正義のアイデア』では、理性的な公共的討議によって不正義を発見する…

【読書ノート】『モラル・エコノミー』第7章(ラスト)

モラル・エコノミー:インセンティブか善き市民か作者:サミュエル・ボウルズNTT出版Amazon 第7章アリストレレスの立法者の使命 第7章アリストレレスの立法者の使命 イントロ(p181-) 取得と構成(p185-) 道徳的教え――インセンティブが悪いのか(p194-) ア…

【読書ノート】『モラル・エコノミー』第6章

モラル・エコノミー:インセンティブか善き市民か作者:サミュエル・ボウルズNTT出版Amazon 第6章立法者のジレンマ 第6章立法者のジレンマ イントロ(p145-) 経済学はアリストテレスを発見する(p146-) メカニズム・デザイン――価格は倫理の任務を果たせるか…

【アニメ感想】「輪るピングドラム」ラストまで

第24駅 愛してるAmazon やっと見終わった。しんどかった。 この作品は、この作品世界の中でしか通用しないシステムで成り立っている。で、そのシステムを構築する要素として、運命とか、贈与とか、罪とかがある。で、そのシステムをちゃんと理解しないとこの…

【読書ノート】『モラル・エコノミー』第5章

モラル・エコノミー:インセンティブか善き市民か作者:サミュエル・ボウルズNTT出版Amazon 第5章リベラルな市民文化(p107-) 第5章リベラルな市民文化(p107-) イントロ(p107-) 経済は人々を生産する(p110-) インセンティブと選好の進化(p113-) イン…

【読書ノート】『モラル・エコノミー』第4章

モラル・エコノミー:インセンティブか善き市民か作者:サミュエル・ボウルズNTT出版Amazon 第4章 情報としてのインセンティブ(p73-) 第4章 情報としてのインセンティブ(p73-) イントロ(p73-) 実験から選好について学ぶ(p74-) インセンティブの意味(p…

【読書ノート】『モラル・エコノミー』第3章

モラル・エコノミー:インセンティブか善き市民か作者:サミュエル・ボウルズNTT出版Amazon 第3章 道徳感情と物質的利害(p35-) 第3章 道徳感情と物質的利害(p35-) イントロ(p35-) ホモ・ソキアリス(p37-) クラウディングアウト(クラウディングイン)…