風土論というのがあって、学生時代から勉強してきているのだけど、いまだにうまく理解できている感じがしない。数千字でまとめられるものではないけれど、なんとかエッセンスだけでもまとめてみよう。 ザックリ言うと、風土論とは人間と環境の関係性を現象学…
環境意識に関する調査をすることになって、具体的に何しようかあれこれ考えているのだけど、うまくまとまらない。最終的には、新しい環境教育のあり方を提案するというところまでつなげる予定で、その準備作業としての調査という位置づけだ。 それで環境心理…
「不便益」という考え方がある。「不・便益」ではなく、「不便・益」。つまり、不便であることは、悪いことばかりではなく逆に良い面もあるのではないかということだ。 ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れて…
「気候変動問題を解決するには資本主義を捨てなければならない」と主張する本が何十万部も売れている。もちろん他の経済学者からは厳しい批判が出た。しかし、そうした批判の声はあまりに地味なせいか、人々の耳にはほとんど届いていないみたいだ(以下の柿…
社会契約説とは? 正義は、誰もが納得できるものでなければならない。たとえばプーチンは自分の正義を信じてウクライナに攻め込んだのだろうけれど、その正義は多くの人々にとって理解不能なものだ。あるいはジャイアンは「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物…
思いつきで始めた用語集だけど、なかなか良い感じだ。功利主義とか義務論とかも、なんとなくわかってるつもりだけど改めて説明しようとするとなかなか難しい。こうして整理しておけば、忙しいときでもさっと使い回せて便利だろう。 あと、できれば具体例も追…
義務論では、義務に従うことが倫理的に善いことだとされている。そんなの当たり前だと思うだろうか? まあ、そうだ。でも、一見当たり前なこの主張を裏付けるカントの推論は割とアクロバティックでそれなりに興味深いものなので、もう少し詳しく見てみる価値…
津波てんでんこと功利主義 「津波てんでんこ」という言葉がある。津波が来たら、周りの人を助けようとせずに、自分だけで逃げろという意味だ。 過去に津波に襲われた経験のある地域では、おそらく、家族や友人を助けようとして自分も津波に飲まれてしまった…
SDGsに対する人々の関心は? 2023年現在、「SDGs」という言葉はまだちらほら耳にする。もしかしたらみんなもう飽きて使わなくなってるんじゃないかなあ、とも思う。わたしはテレビを観ないし人ともあまりしゃべらないので世間の常識がよくわかってない。でも…
就職が決まりそうな感じだ。「決まった」とはまだはっきり言われてないけれど、決まったような雰囲気で相手方と話を進めている。大学の人事は奇々怪々だから完全に安心しきることはできないけれど、決まったものと見なして準備を進めた方がいい気がする。授…
人はなぜ環境保全行動をするのだろう。マイバッグを使う、クーラーの温度を控えめにする、電気をこまめに消す。こうした行動を人はなぜ取るのか。 環境保全行動の規定要因を明らかにすることで、どうすれば環境保全行動を促せるかが見えやすくなる。たとえば…
人が何か善いことをするときの心のありようについて考えてみたい。 気候変動を緩和するために、個々人がなるべく化石燃料への依存を減らした生活を送るのは「善いこと」だと思われている。でも実際には、多くの人はそんなこと気にせずに生活しているだろう。…
環境倫理について私がここ数日書いてきたことは、自分でもただの理想論のように思える。 社会のなかに遊びがあればいい。それはそうだろう。商店街が無くなればいいなんて考えている人はあまりいないはずだ。ただ、しょうがない、それが時代なのだと、みんな…
社会に遊びが残っていてほしいと思う。経済的に価値がないものでも、非効率なものであっても、なぜか淘汰されずに残っているものがなるべくたくさんあるといい。私にとっての環境倫理とはそのようなものだ。 一般論としていえば、その人にとってかけがえのな…
ここらで、風土とは何かということをきちんと整理しておいた方がいい。そうしないと、風土にもとづく環境倫理といっても、それが何を指しているのか誰にもわからなくなってしまう。 しかし、風土論はなかなか難解な学問だ。哲学者の和辻哲郎が生み出し、それ…
現在の環境政策に対して、環境倫理はいかなる意味でも影響を与えていない。従来の思弁的な環境倫理だけでなく、前回論じた風土に基づく環境倫理も、現実においてはほとんど無力な存在だ。 しかしそれは、現在の環境政策において倫理が無用の長物だということ…
12年前、私は仙台に住んでいた。東日本大震災では、街中に住んでいたので津波被害は受けなかったけれど、しばらく電気もネットもストップしていて、スーパーでも商品はほとんど置いていなかった。信号も街灯も消えていて、夜の街は闇に包まれていた。 3月11…
前にも書いたように、倫理とは「人と人の間の道理」だ。だから倫理はふつう、人間と人間のあいだで起こることがらを問題とするものなのだ。 だけど、どうも「環境倫理」について考える人たちの頭にあるのはそういうことではないみたいだ。彼らは、人と動物、…
「倫理」という言葉を聞いて、ピンと来る人はあまりいないと思う。日常生活の中でこんな言葉を使う人はまずいない。あなたのお父さん、お母さんが「倫理」なんて言葉を使ったことが一度でもあるだろうか? たぶん、ないはずだ。 「倫理観の欠如」みたいな言…
環境問題を解決しようと思ったら、あなたは何をするだろうか? クーラーの温度を下げる。部屋の電気をこまめに消す。リサイクルを真面目にやる。レジ袋を断ってマイバッグを使う。 なるほど。それは確かに環境にいいことみたいだ。だけど、それで環境問題は…
薄々気づいてたけど、わたしは授業がへただ。最近、そのことを改めて気づかされる出来事があって、このままだとかなりまずいんじゃないかと危機感を持つようになっている。 授業がへただと何か困ることがあるのか? 本質的なところでは、まあ、別に困ること…
わたしはもちろんモテないのだけど、それは努力をしないからなのだと思う。たいていの人は、努力すればモテるんじゃないだろうか? だって、人間のスペックなんてたいして個体差ないのだし。 ジャンプ+で『正反対な君と僕』という漫画を読んでいる。面白い…
www.economist.com To be one of a crowd wandering around in search of a place to settle down, with your existence distilled down to a handful of mementoes and a cactus, is profoundly depressing. 落ち着いて仕事ができる場所を求めてさまよう同…
Morality, Competition, and the Firm: The Market Failures Approach to Business Ethics (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第6章 ミクロとマクロの契約主義 イントロ 正義の原則はなぜ存在するのか? それは、「協力によ…
研究者なんかもうやめた! と思っていたけれど、なんか良さそうな公募があったのでもう一度だけチャレンジしてみることにした。仕事内容はわたしにぴったりだし、辺鄙な勤務地なのでおそらく競争率は低い。8割方いける気がする。でも、その8割で落ち続けた…
日記 I have been practicing to enhance my listening skills in English for nearly three months. The progress is not so rapid, but I actually feel that my efforts are yielding some results. I sometimes get confused when I can't follow the pl…
日記 As philosophy is not my major, my knowledge about it is rather limited. I am just an amateur learner of philosophy and have been exploring philosophers’ works in my own way. For instance, I am fond of Lévinas and Kierkegaard but tend …
日記 Categorizing The Witch from Mercury, the latest anime series of Mobile Suit Gundam, as a science fiction work may be misleading. I think it is rather a fantasy story that allegorically depicts the essence of our reality. Le Guin, the …
日記 Liz and the Blue Bird is a movie that I consider to be one of the best I've seen in recent years. It's a side story connected to the Sound! Euphonium anime series. Unlike the main storyline, which explores complex relationships within…
日記 My favorite food is dumplings. Why? It's because the protagonist of Dorohedoro loves dumplings. The influence of comic characters is extravagant in my life. The reason I recall the mutant protagonist's taste now of all times is that I…